政治 経済 社会/文化 IT/科学 スポーツ 芸能 北朝鮮

板門店宣言から1年 南北交流の扉は開くも成果見えず

2019/04/27 09:00入力

<拡大写真>

【ソウル聯合ニュース】「南と北は南北関係の全面的かつ画期的な改善と発展を実現することにより、切れた民族の血脈をつなぎ共同繁栄と自主統一の未来を早めていく」――。  昨年4月27日に韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党委員長)が署名した「板門店宣言」には、「南北関係の全面的かつ画期的な改善と発展」に対する意思が最初の条項に置かれた。  北朝鮮・開城の南北共同連絡事務所設置、離散家族問題の解決、東海線および京義線鉄道と道路の連結と現代化など多方面に及ぶ協力と交流の計画を含んだ板門店宣言はこれまで十数年にわたり断絶していた南北関係の「開化」を目指したと言える。  実際、宣言から1年で南北関係は以前の保守政権時代とは比較できないほど活性化した。昨年だけで南北は36回の会談を行い、互いに往来した人員も2017年の115人から7498人に増加した。  鉄道・道路の連結と現代化、スポーツ交流、山林協力など当局間による協力が行われ、南北当局者が常駐する共同連絡事務所が開所したことで、常に意思疎通できる時代が到来した。民間レベルの南北交流や北朝鮮に対する人道支援も再び活気を取り戻した。  しかし、板門店宣言で両首脳が描いた南北協力の未来は1年過ぎた今も、容易には実現できずにいるというのが大半の意見だ。扉は開いたものの、さらに交流・協力を安定的に定着させ具体的な成果を得る段階には至っていない。  これは、米朝による非核化交渉が膠着状態に陥ったことで、国際社会による対北朝鮮制裁の枠組みが残り、南北交流が制約されているためだ。  韓国・北韓大学院大の梁茂進(ヤン・ムジン)教授は「南北対話が元に戻り、定例化したのは成果」とし、「対北制裁という枠組みがあるため、民間レベルの交流協力にはかなり限界があった」と評価した。  国連安全保障理事会の制裁決議や、米国による独自制裁などにより、現状では北朝鮮に金属を持ち込むことも難しい状況にある。そのため韓国政府は鉄道・道路の共同調査、連結事業の着工式、映像による離散家族の再会、北朝鮮・開城にある高麗時代の王宮遺跡「満月台」の共同発掘調査などの協力事業のために北朝鮮に物資を搬入する際には、そのたびに制裁の例外として認められるよう手続きを取った。  金委員長が今年の新年の辞で開城工業団地と金剛山観光の再開について述べたが、その見通しは立っておらず、板門店宣言に盛り込まれた鉄道・道路の連結と現代化も昨年末に着工式が行われたものの、進展していない。  北朝鮮はこのような状況に対して不満を隠さずにいる。   金委員長は12日に開かれた最高人民会議(国会に相当)で行った施政演説で、米国が韓国に対し南北協力の速度調整を強要し、南北合意の履行を妨げているなどと不満を表明した。  北朝鮮は、先月には共同連絡事務所から職員を一方的に撤収させるなどの揺さぶりも行った。  韓国側が北朝鮮に対してできることが限定されているため、米朝交渉で北朝鮮の態度を軟化させるための後押しも難しい状況にある。  東国大北韓学科の高有煥(コ・ユファン)教授は「北が求めるのは主に経済協力であるが、ほとんど全ての部分が安保理制裁に関わっていて非核化の進展に南北関係が従属してしまった」と指摘した。  2月末のベトナム・ハノイでの米朝首脳会談の前後には、北朝鮮が南北関係を経由しない対外戦略を模索する動きも見せている。また昨年9月の南北首脳会談を機に結ばれた軍事分野合意の履行にも消極的で、今年に入ってからは南北間の正式な分科会議は一度も開かれていない。  板門店宣言から1周年を記念する行事を開催するにあたり、北朝鮮側を公式に招く意思を伝えなかったことも、最近の南北関係を端的に示している。  韓国側が北朝鮮に対して独自の影響力を持つ行為者の立場に戻るためには、北朝鮮からの信頼を回復する方策を積極的に模索する必要があるとの指摘が出ている。  代表的な政策手段は対北朝鮮人道支援だ。北朝鮮は昨年、洪水や猛暑、国際社会による制裁などの影響で深刻な食糧不足に苦しんでいるとされる。  金錬鉄(キム・ヨンチョル)統一部長官は就任前、国会に提出した書面で「就任すれば国際機構に対する供与を含む、対北人道支援に関連する推進状況を点検し、人道支援を活性化する方策を検討する」との考えを明らかにした。

会社紹介お問い合わせ
利用規約プライバシーポリシー
Copyright(C) AISE Inc.